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1.2GHz帯におけるアマチュア局とFPUの共用

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総務省の情報通信審議会情報通信技術分科会放送システム委員会報告(案)に対する意見の募集が開始された。
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02ryutsu08_03000112.html

この報告の内容は、これまで800MHz帯で使用されていたFPU(放送事業者が使用する放送番組伝送用の中継無線局)が1.2GHz帯及び2.3GHz帯へ移行することとなり、このための技術的な条件を検討したものである。
FPUの移行先の1.2GHz帯とは1240-1300MHzであり、アマチュア業務に割り当てられている1260-1300MHzに重なる。アマチュア局からの干渉も検討されており、干渉源としては、レピータのダウンリンク波と小型アンテナが付属する1W携帯型無線機しか検討されていない。
レピータ局とFPUとの離隔距離は700mと計算されており、レピータ局は免許人がJARLに統一されているから、FPU運用場所周辺で事前運用調整が可能であり、FPUとアマチュア局は共用可能と結論付けているが、JARLの直轄局以外のレピータ局の運用は、JARLの自由になっていないのが実態であろう。
常置場所からは空中線電力10Wと高利得アンテナが利用できるが、これは検討の対象となっていない。総務省電波利用ホームページの無線局情報検索で1260-1300MHzが指定されているアマチュア局数を調べると125,227局と表示される(12/17時点)が、それぞれの常置場所から10W+高利得アンテナを使用している局も多数あるだろう。
放送システム委員会及びその下に設置された放送事業用無線局検討作業班の構成員の中にはJARL関係者の名前が見えないが、利害関係者であるJARLの意見を聞いているのであろうか。この周波数帯では、FPU(移動業務)は一次業務であり、アマチュア業務は二次なのでアマチュアが遠慮するのは当然ということだろうか。この意見募集にJARLがどのような意見を出すかに注目したい。

なお、FPUが1.2GHz帯を使用するための周波数割当計画(総務省告示)の改正(放送事業用の移動業務を1260-1300MHzに一次業務として追加する改正)は総務省告示第172号(平成24年4月17日)によって実施されている。つまりFPUとアマチュア局が同じ周波数帯を共用することは既に決まっており、そのための共用条件を検討している段階であるということである。

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