昭和58年1月1日から施行された市民ラジオの免許制度の廃止が、昭和57年2月10日に出された政府の臨時行政調査会による「行政改革に関する 第2次答申」に記載されていることは有名な話だが、実際どのように記載されていたのかを見たことがない。
その答申をネット上で探してみると、国立社会保障・人口問題研究所のサイトに全文が掲載されていた。
表題は「行政改革に関する第2次答申-許認可等の整理合理化-(昭和57年2月10日)」である。
答申の構成は以下の通りである。
-------------------
第 1 基本的考え方
1 見直しの必要性
2 整理合理化の基準
3 整理合理化の検討対象
4 新設の審査と改善推進の体制
第 2 当面の整理合理化事項
1 一般国民の日常生活を対象としたもの
(1)自動車の定期点検整備及び検査
(2)自動車の運転免許証の更新
(3)一般旅券の発給
2 国際経済的見地から早急な対応を要するもの
輸入検査
3 国民経済的見地から対応を要するもの
(1)電源開発立地に係る関連許認可
(2)データ通信規制
4 民間活力にゆだねるのが適当なもの
(1)輸出検査
(2)消防用機械器具等の個別検定
(3)計量器の検定・定期検査
(4)建築検査
5 民間等からの改善要望が多いもの
(1)バス停留所の位置の変更の認可
(2)自家用貨物自動車の使用の届出
(3)特殊車両の通行許可
(4)国際的協定又は国際的契約の届出
(5)法人事業税及び法人住民税の申告書・納付書の様式
(6)市街化区域内の農地転用届
(7)市民ラジオ(トランシーバーの一種)の免許
(8)犬の狂犬病予防注射
(9)遊技場営業の許可更新
6 その他(従来から問題点の指摘があるもの等)
(1)医師等の年次届
(2)歯科衛生士等の住所(変更)の届出
(3)獣医師の年次届
(4)保税上屋及び保税倉庫の許可更新
(5)道路の占用許可
-------------------
市民ラジオの項の全文を引用すると以下の通りである。
(7)市民ラジオ(トランシーバーの一種)の免許
市民ラジオに係る無線局については、技術基準適合性を確保するための措置を存続し、開設免許を廃止する。
臨時行政調査会のメンバーには「市民ラジオ」を知る人はおそらくいなかったのだろう。「トランシーバーの一種」という説明が付記されている。
当時の市民ラジオの状況を調べてみると、免許局数は以下のとおりである。
昭和51年3月末 354,739
昭和52年3月末 359,678
昭和53年3月末 352,716
昭和54年3月末 334,778
昭和55年3月末 311,557
昭和56年3月末 295,269
昭和57年3月末 265,852
昭和52年をピークに急激に減少しつつあった。
また、昭和55年4月から市民ラジオの免許事務の情報処理化が開始され、当時、信越、北陸、四国及び沖縄以外の免許処理数の多い地方電波監理局では実施されていた。
このころ米国の27MHz帯Citizens Radio Serviceは既に免許は不要となっていたが、当時の日本で0.5W出力の無線局を免許不要とすることには相当抵抗感があったであろう。市民ラジオの免許制度廃止について、「民間等からの改善要望」が多数あったとは考えにくいように思う。電波法関係許認可の分野から差し出したスケープゴートの匂いがしなくもない。
その答申をネット上で探してみると、国立社会保障・人口問題研究所のサイトに全文が掲載されていた。
表題は「行政改革に関する第2次答申-許認可等の整理合理化-(昭和57年2月10日)」である。
答申の構成は以下の通りである。
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第 1 基本的考え方
1 見直しの必要性
2 整理合理化の基準
3 整理合理化の検討対象
4 新設の審査と改善推進の体制
第 2 当面の整理合理化事項
1 一般国民の日常生活を対象としたもの
(1)自動車の定期点検整備及び検査
(2)自動車の運転免許証の更新
(3)一般旅券の発給
2 国際経済的見地から早急な対応を要するもの
輸入検査
3 国民経済的見地から対応を要するもの
(1)電源開発立地に係る関連許認可
(2)データ通信規制
4 民間活力にゆだねるのが適当なもの
(1)輸出検査
(2)消防用機械器具等の個別検定
(3)計量器の検定・定期検査
(4)建築検査
5 民間等からの改善要望が多いもの
(1)バス停留所の位置の変更の認可
(2)自家用貨物自動車の使用の届出
(3)特殊車両の通行許可
(4)国際的協定又は国際的契約の届出
(5)法人事業税及び法人住民税の申告書・納付書の様式
(6)市街化区域内の農地転用届
(7)市民ラジオ(トランシーバーの一種)の免許
(8)犬の狂犬病予防注射
(9)遊技場営業の許可更新
6 その他(従来から問題点の指摘があるもの等)
(1)医師等の年次届
(2)歯科衛生士等の住所(変更)の届出
(3)獣医師の年次届
(4)保税上屋及び保税倉庫の許可更新
(5)道路の占用許可
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市民ラジオの項の全文を引用すると以下の通りである。
(7)市民ラジオ(トランシーバーの一種)の免許
市民ラジオに係る無線局については、技術基準適合性を確保するための措置を存続し、開設免許を廃止する。
臨時行政調査会のメンバーには「市民ラジオ」を知る人はおそらくいなかったのだろう。「トランシーバーの一種」という説明が付記されている。
当時の市民ラジオの状況を調べてみると、免許局数は以下のとおりである。
昭和51年3月末 354,739
昭和52年3月末 359,678
昭和53年3月末 352,716
昭和54年3月末 334,778
昭和55年3月末 311,557
昭和56年3月末 295,269
昭和57年3月末 265,852
昭和52年をピークに急激に減少しつつあった。
また、昭和55年4月から市民ラジオの免許事務の情報処理化が開始され、当時、信越、北陸、四国及び沖縄以外の免許処理数の多い地方電波監理局では実施されていた。
このころ米国の27MHz帯Citizens Radio Serviceは既に免許は不要となっていたが、当時の日本で0.5W出力の無線局を免許不要とすることには相当抵抗感があったであろう。市民ラジオの免許制度廃止について、「民間等からの改善要望」が多数あったとは考えにくいように思う。電波法関係許認可の分野から差し出したスケープゴートの匂いがしなくもない。